アクセスとは(使い方と特徴)
「Access」(アクセス)について説明します。
目次
Accessとは
「Access」とは、アメリカの「Microsoft(マイクロソフト)」社が「Windows」 向けに販売している、「データベース管理システム」の「ソフトウェア」です。
正式名称は、「Microsoft Office Access」(マイクロソフトオフィスアクセス)です。
略して、「Access」(アクセス)や「Microsoft Access」(マイクロソフトアクセス)などと呼んでいます。
2022年9月現在の「Access」のバージョンは「Access2021」です。
2021年10月 5日 に発売されました。
現在は、「Access2013」「Access2016」「Access2019」「Access2021」を使うことができます。
「Access2013」のサポート期限は「2023年4月11日」になっています。
データベース管理システムとは
「データベース管理システム」(DBMS:Data Base Management System)とは、「データベース」を構築するためにデータベースの運用、管理を実行するためのシステムです。
「Access」は「データベース管理システム」のソフトウェアです。
「データベース」とは、特定のテーマや目的にそって集められた「データ」の集まりです。
例えば、
「商品台帳」「得意先名簿」「売上伝票」のように関連する情報をひとまとめにした「帳簿」や「ファイル」が「データベース」です。
「Access」は「リレーショナルデータベース」という種類になります。
●参考ページ
Accessの特徴
「Access」には、以下のような特徴が」あります。
「Access」は「データベース管理システム」のソフトウェアです
「データ」を格納できる「データベース」(テーブル)を持っています。
多くの「データ」を格納することができます。
「Access」は小規模データベースです
「Access」は、「小規模データベース」です。
「データベース」のサイズ容量の「制限」は「2GB(ギガバイト)」です。
大企業が使っている「Oracle」(オラクル)や「SQL Server」などは、大規模データベースです。
データの容量には、制限がありません。
「2GB」ですが、かなりいろいろな所に使用することが出来ます。
中小企業では、あまり問題ないかもしれません。
使用するには、WinodowsPC上に「Access」のソフトが必要です
「Access」を使用するには、「Windows」パソコンが必要です。
「Access」の「プログラム」を作成するには「Access」の「ソフト」をインストールする必要があります。
「Access」の「ソフト」は「有料」です。
「Mac」や「Android」「Linux」などのパソコンでは動きません。
業務システムを作成することができます
「Access」は、在庫管理、経理、売上管理など、工場や事務などの業務のシステムを作成することを得意にしています。
業務システムを作成する全部の機能を持っています
「Access」は、データを格納する「テーブル」、データの抽出・加工する「クエリ」、画面を作成できる「フォーム」、帳票を作成できる「レポート」を持っています。
1つのソフトで「業務システム」を開発することが出来ます。
システムを比較的短時間で開発出来ます
システムを開発する機能を、全部持っていますので、システムを短時間で開発することが出来ます。
プログラムの追加・修正も簡単に出来ます。
「Access」も「VBA」(Visual Basic for Application」(ビジュアル・ベーシック・フォー・アプリケーション)という言語を使いますが、「C#」「Java」などに比較して簡単です。
Accessのメリット
「Access」には、以下のような「メリット」が」あります。
「特徴」とも重複しているものもあります。
データ量は2GBまで取り扱えます
これは、「メリット」でもあり、「デメリット」ですね。
中小企業では、特に問題無いと思います。
データの抽出・加工が簡単に出来ます
「Access」には「クエリ」という「オブジェクト」があります。
「データ」のいろいろな抽出・加工が簡単に出来ます。
「Excel」では時間がかかる数万件の作業も即座に出来ます。
複数のデータの「マッチング」(結合)が簡単にできます。
業務システムの開発が出来ます
前述したように、1つの「ソフト」で「業務システム」の開発が出来ます。
「データベース」から「入力・検索画面」、「帳票」など業務システムに必要な機能を全部もっています。
レポート機能が優れています
「Access」は「レポート」機能が優れています。
通常の「A4」サイズだけではなく、市販のラベル、請求書、納品書、佐川急便や、ヤマト運輸などに対応した「ひな型」がたくさんあります。
他の「プログラム言語」では、「データベース」や「レポート機能」を、別途、準備する必要があります。
ODBCでいろいろなデータベースに接続出来ます
「Access」は「ODBC」を使っていろいろな「データベース」に接続することが出来ます。
「Oracle」「SQL Server」「MySQL」「PostgreSQL」などに接続することが出来ます。
「ODBC」とは、「Open DataBase Conenectivity」と言います。
マイクロソフト社が開発した「データベース」の「ミドルウェア」です。
Windowsのパソコンに最初からインストールされています。
企業では、基幹システムには「Oracle」(オラクル)や「SQL Server」などの「大規模データベース」を使っています。
その「データベース」を「Access」から「ODBC」を使って簡単に「接続」することが出来ます。
「データ」の取得や更新することも出来ます。
「Access」は「Excel」との親和性が高い
同じ、マイクロソフト社が開発していますので、親和性が高いです。
「Excel」からの「csv」や「Exccel」形式のデータを簡単に「Access」に取り込むことが出来ます。(インポート機能)
接続(リンク)することも出来ます。
「Access」からも簡単に「csv」ファイルや「Excel」形式のデータに出力することが出来ます(エクスポート機能)
Accessは参考書が多い
「Access」は、最初に発売されてから、30年くらいになります。
書店でも、たくさんの参考書があります。
「インターネット」にもたくさんの情報があります。
学習するには、良いと思います。
Accessのデメリット
もちろん、「Access」にも「デメリット」があります。
「Access」には、以下のような「デメリット」が」あります。
「Access」のソフトウェアは有料です
「Access」の「ソフトウェア」は有料です。
購入する必要があります。
定期的に使用料金を支払う「サブスクリプション」の「Microsoft 365 Pesonal」などには付属しています。
「Access」で作ったプログラムを「Access」のソフトを持っていない「ユーザー」に配布する場合は、「Accessランタイム」という「無料」のソフトを使用することが出来ます。
「Accessランタイム」は、「Access」で作成したプログラムを動かす為だけのソフトウェアです。
「Access」の「プログラム」を修正することは出来ませんが、動かすことは出来ます。
「Windows」PCにインストールします。
複数の同時アクセスが弱い
「Access」は、「小規模データベース」です。
原則、1人用のソフトです。
複数の人が同じ「データ」(テーブル)にアクセスする「排他制御」に弱いです。
同時アクセスすると、最悪壊れる可能性があります。
実際には、小人数で使用しているケースもありますが、リスクがあります。
Windowsのパソコンでしか使用できない
「Access」は、「Windows」で動くパソコン上にしかインストールすることが出来ません。
「スマートフォンス」や「Webブラウザ」などで動かすことが出来ません。
データベースのセキュリティが弱い
「Access」の「プログラム」には「パスワード」をかけることが出来ますが、「パスワード」を知っていれば、誰でも中のデータを見ることができます。
「データ」(テーブル)や「ユーザー」別の「セキュリティ」の設定は出来ません。
Accessの使い方
「Access」の使い方について説明します。
「画面構成」から「オブジェクト」「テーブル」「クエリ「フォーム」レポート」などの概要を説明します。
詳細については、「参考ページ」などをご覧ください。
Accessの画面構成
「Access」で「空のデータベース」を作成すると以下の画面が表示されます。
「Access」の最初の画面です。
中身(オブジェクト)はありません。

「Access」の画面構成について説明します。
- ①リボン
「メニュー」や「ボタン」を配置しています。
タブをクリックすると切り替わります。 - ②ナビゲーションウィンドウ
作業している「オブジェクト」が一覧で表示されます。 - ③操作ウィンドウ
「テーブル」「クエリ」「フォーム」「レポート」で作成する「オブジェクト」を編集する画面です。
●参考ページ
オブジェクトとは
「オブジェクト」について説明します。
「オブジェクト」とは、日本語では、「目的、物」などの意味です。
Accessの機能のグループや内容だと思ってもらったらよいと思います。
Accessのオブジェクトの種類
「Access」には、以下のような「オブジェクト」があります。
- テーブル
「データ」を格納することが出来ます。 - クエリ
「データ」の抽出・加工することが出来ます。 - フォーム
画面を作成することが出来ます。 - レポート
帳票を作成することが出来ます。 - マクロ
操作を自動化することが出来ます。 - モジュール
「マクロ」では、実行出来ないような複雑な処理をおこないます。
「VBA」というプログラム言語を使用します。
実際のオブジェクトの例
以下は、我が社が、教材として販売している在庫管理の「Access」のプログラムの例です。
左の赤丸の所が「オブジェクト」です。
左上の「製品マスタ」は、「テーブル」の「オブジェクト」で「製品情報」が格納されています。
少し下の「Q_製品マスタ」は、「クエリ」の「オブジェクト」です。
「オブジェクト」の名前は、自由に付けることが出来ます。
「業務システム」を作成するときは、この「オブジェクト」を作成してシステムを作ってゆきます。

テーブルの使い方
「テーブル」の使い方について説明します。
「テーブル」は「データ」を格納することが出来ます。
例えば、「商品情報」「顧客情報」「売上情報」などです。
「Access」は、まず「テーブル」を作る必要があります。
「テーブル」には「デザインビュー」と「データシートビュー」(開く)の2つの操作方法があります。
テーブルの「デザインビュー」
「デザインビュー」は、「テーブル」を作成したり、追加・修正するときに使用します。
前述の「製品マスタ」の「デザインビュー」を表示します。
画像と下に説明を入れています。
番号に対応しています。

- ①項目(フィールド名)を作成します。
「項目の名前」や「データ型」などを定義します。
「データ型」に「数値」を定義すると数字しか入力出来ません。
「データ型」に「日付」を定義すると日付しか入力出来ません。 - ②それぞれの項目(フィールド)の「フィールドプロパティ」です。
詳細を定義することが出来ます。
文字だと文字数などを定義することが出来ます。
テーブルの「データシートビュー」(開く)
「データシートビュー(開く)」は実際に「テーブル」中のデータの確認、入力、修正、削除するときに使用します。
前述の「製品マスタ」の「データシートビュー」(開く)を表示します。

- ①実際の「データ」が表示されています。
「データ」(レコード)の追加、修正、削除が出来ます。
「テーブルの使い方」の参考ページです。
●参考ページ
クエリの使い方
「クエリ」の使い方について説明します。
「クエリ」は、「テーブル」の「データ」の「抽出」や「加工」が出来ます。
「クエリ」には「デザインビュー」と「データシートビュー」(開く)、「SQLビュー」の3つの操作方法があります。
よく使用する「デザインビュー」と「データシートビュー」(開く)について説明します。
前述の「製品マスタ」の「クエリ」の「Q_製品マスタ」を説明します。
(区別しやすいように頭に「Q」を付けています。)
クエリの「デザインビュー」
「デザインビュー」は、「クエリ」を作成したり、追加・修正するときに使用します。
「Q_製品マスタ」の「デザインビュー」を表示します。

- ①「クエリ」で使用する「テーブル」を選択します。
複数の「テーブル」を選択することも出来ます。
複数の「テーブル」でマッチング(結合)することも出来ます。 - ②「クエリ」で表示する「テーブル」の項目(フィールド)を選びます
「並べ替え」「抽出条件」「項目の計算」「関数の使用」などを行うことが出来ます。
クエリの「データシートビュー」(開く)
「データシートビュー」(開く)は実際に「クエリ」のデータを確認・表示するときに使用します。
「Q_製品マスタ」の「データシートビュー」(開く)を表示します。

- ①「クエリ」の「データ」が表示されています。
「クエリ」でも「データ」(レコード)の追加、修正、削除が出来ます。
「クエリ」の「結合」などをおこなっている場合は入力、更新などは出来ない場合があります。
●参考ページ
フォームの使い方
「フォーム」の使い方について説明します。
「フォーム」は、「画面」を作成することが出来ます。
「テーブル」などへの「データ」を追加・修正する場合や必要なデータを表示する場合、ユーザーが使いやすい画面を作成することが出来ます。
「フォーム」には、「デザインビュー」と「フォームビュー」(開く)、「レイアウトビュー」「データシートビュー」の4つの操作方法があります。
よく使用する「デザインビュー」と「フォームビュー」(開く)について説明します。
前述の「製品マスタ」の「フォーム」の「F_製品マスタ」を説明します。
(区別しやすいように頭に「F」を付けています。)
フォームの「デザインビュー」
「デザインビュー」は、「フォーム」を作成したり、追加・修正するときに使用します。
「F_製品マスタ」の「デザインビュー」を表示します。
この画面は、プログラムを開発する人が仕様に合わせて作成してゆきます。
以下は、我が社が作った画面の例です。
こういうことが出来るということを知って貰ったら良いと思います。

- ①「検索機能」を作成しました。
- ②「並べ替え」の機能を作成しました。
- ③「サブフォーム」にデータを表示します。
- ④「ボタン」を作成しました。
「ボタン」をクリックすることでいろいろな処理が出来ます。
「ファンクションキー」も動くように設定しています。
フォームの「フォームトビュー」(開く)
「フォームビュー」(開く)は実際に「フォーム」の画面を確認・表示するときに使用します。
「F_製品マスタ」の「フォームビュー」(開く)を表示します。

- ①「検索機能」です。
- ②「並べ替え」の機能です。
- ③「サブフォーム」にデータが表示されます。
- ④「ボタン」です。
「ボタン」をクリックすることでいろいろな処理が出来ます。
「ファンクションキー」も動きます。
●参考ページ
レポートの使い方
「レポート」の使い方について説明します。
「レポート」は、「帳票」を作成することが出来ます。
「レポート」には、「デザインビュー」と「印刷プレビュー」(開く)、「レイアウトビュー」「レポートビュー」の4つの操作方法があります。
よく使用する「デザインビュー」と「印刷プレビュー」(開く)について説明します。
教材の「在庫一覧表」の「R_在庫一覧レポート」を説明します。
(区別しやすいように頭に「R」を付けています。)
レポートの「デザインビュー」
「デザインビュー」は、「レポート」を作成したり、追加・修正するときに使用します。
「R_在庫一覧レポート」の「デザインビュー」を表示します。

- ①個々のデータを表示します。
- ②グループ別の合計を計算します。
- ③グループ別の「並べ替え」の設定です。
レポートの「印刷プレビュー」(開く)
「印刷プレビュー」(開く)は実際に「印刷」と同じ表示になります。
「R_在庫一覧レポート」の「印刷プレビュー」を表示します。

- ①グループ別にデータを表示します。
- ②グループ別の合計を計算します。
マクロの使い方
「マクロは、操作を自動化するオブジェクトです。
例えば、「ボタン」をクリックした時の処理を、コマンドを選択することにより実行できます。
VBA使い方(モジュール)
「モジュール」は、「マクロ」では実行できないような複雑な処理を実行するオブジェクトです。
「VBA」(Visual Basic for Application」(ビジュアル・ベーシック・フォー・アプリケーション)を使用します。
「VBA」は、「Access」のいろいろな操作をサポートするプログラム言語です。
「業務システム」などを開発する場合、処理が複雑になると、「マクロ」だけでは、難しくなります。
その時は、「VBA」を使って、処理をおこないます。
「Access」で「業務システム」を開発する方は、マスターした方が良いと思います。
我が社が、販売している「在庫管理システム」の教材は「VBA」を使用しています。
「VBA」を学習したいという方には良いと思います。
「VBA使い方(モジュール)」の参考ページです。
Accessの学習を始めるためには
今から、「Access」の学習を始めたいという方は、以下から始めた方が良いと思います。
Accessのソフトを購入する
[Access」の学習を始めるには、「Windows」のパソコンに「Access」のソフトウェアをインストールする必要があります。
「Access」のソフトウェアは、有料です。
購入する必要があります。
「サブスクリプション」の[Microsoft 365 Personal」などを既に使用している場合は、「Access」は含まれていますので、使用することが出来ます。
持っていない場合は、「1ヶ月間」の「無料試用版」もあります。
使ってみると良いと思います。
「Access」が、どんなものか、わかると思います。
以下のページに詳細がありますのでご覧ください。
●参考ページ
参考書を購入する
「Access」が初めての方は、使用方法がわからないと思います。
まずは、使ってみることです。
初心者の方には、
「よくわかるMicrosoft Access2019 基礎」(富士通エフ・オー・エム株式会社)
がお勧めです。
字が大きくて、わかりやすいので、一緒にやっていくと良いと思います。
以下のページに参考書がありますのでご覧ください。
●参考ページ
Accessの資格
「Access」の資格で、最も有名で人気のある資格は、「MOS」です。
「MOS」とは「マイクロソフト オフィス スペシャリスト」と呼ばれ、マイクロソフト社が認定した国際資格です。
マイクロソフトオフィス製品の利用スキルを認定する資格です。
もちろん「Access」もあります。
MOSは、「Microsoft Office Speciaris」tの略です。
企業の社員教育や、自己啓発に使用されています。
転職にも有利です。
「Excel」や「Word」は、殆どの人が使用出来ますが、「Access」が出来る人はまだ少ないです。
「システム会社」では、開発している言語が異なりますので、厳しいかもしれませんが、通常の「企業」 「工場」や「事務部門」など「業務データ」を取り扱う部署には必要になっています。
「MOS」の詳細は、以下のページをご覧ください。
●「Access(アクセス)が初めての方へ」の関連ページです。
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