レポートとは何か
「Accessのレポート」について説明します。
目次
レポートとは
Accessのレポートとは、「テーブル」や「クエリ」のデータを表示し印刷するオブジェクト(物)です。
帳票を作成、印刷することが出来ます。
「オブジェクト」とは、日本語で「物」という意味です。
印刷する機能を持ったもの(オブジェクト)です。
印刷する「オブジェクト」ですので、入力は出来ません。
レポートの位置づけ
アクセスの全体の中での「レポート」の位置づけについて説明します。
レポートとは、帳票です。
アクセスが、他のソフトより優れているひとつとしては、この帳票機能が、あるからです。
例えば、
よく使用されているソフトの代表としてはVisual Studioの中のビジュアルベーシック、ビジュアルC++、ビジュアルC#などがあります。
しかし、これらのソフトもレポート機能は持ってませんので、別途レポート機能のあるソフトを使う必要があります。
では、アクセスのおける「レポート」の位置づけを理解しましょう。
「アクセスの概要」の中でも説明しましたが、重要ですので再度説明します。
アクセスの全体の中での「レポート」の位置づけです。

上の図で、右中にいるのが「レポートさん」です。
アクセスの「レポート」には、優れている点があります。
いろいろな帳票(レポート)のテンプレート(雛形)が準備されています。
例えば、
納品書、見積書、エーワンのラベル、はがき、ヤマト運輸や佐川急便の送り状など、たくさんあります。
「テーブル」や「クエリ」でデータが準備できれば、簡単に帳票を作成、印刷することができます。
「pdf」ファイルにすることも出来ます。
また、「プロパティシート」や「VBA」をマスタすることにより。かなり複雑な帳票も作成することができます。
レポートで出来ること(機能)
「Accessのレポート」の機能について説明します。
「レポート」で、出来ることです。
以下のような、いろいろなことができます。
- 帳票(レポート)の作成と印刷
「テーブル」や「クエリ」のデータを使って帳票(レポート)を作成、印刷することが出来ます。
- はがきの作成と印刷
「はがきウィザード」を使って、いろいろな「はがき」を作成、印刷することが出来ます。
- 宛名ラベルの作成と印刷
「宛名ラベルウィザード」を使って、市販のメーカーの宛名ラベルの作成と印刷することが出来ます。
- 伝票の作成と印刷
「伝票ウィザード」を使って、納品書、請求書などを作成、印刷することが出来ます。
- 宅配業者の送り状の作成と印刷
佐川急便、ヤマト運輸、ゆうパックなどの伝票を作成、印刷することが出来ます。
- バーコードの作成
Accessに追加で「Microsoft Barcode Control 16.0」という「コントロール」(プログラムみたいなもの)を設定すれば、縦じまの「バーコード」を作成、印刷することが出来ます。
- QRコード作成は制限があります。
「Microsoft Barcode Control 16.0」という「コントロール」で、「QRコード」の作成も出来ます。
でも、制限があります。
半角の「英数記号のみ」で、「255」文字以内です。
日本語は出来ません。
※注意事項
「QRコード」は(株)デンソーウェーブの登録商標です。
- いろいろなファイル形式で保存することが出来ます。
「Excel」「テキストファイル」「pdf」「電子メール」「Word」「XML」「HTML」などで保存することが出来ます。
「エクスポート」機能と同じです。
などです。
レポートの構成
「Accessのレポート」の構成について説明します。
「レポート」が、どのようになっているかです。
レポートの種類
「Accessのレポート」の種類について説明します。
「レポート」は、帳票ですので、どのような帳票が作成出来るのかについて説明します。
「レポート」には、以下のような種類があります。
- 単票形式
単票形式は、「レコード」(データ)を1件ずつ表示、印刷することが出来ます。
1行に、1つの「レコード」(データ)です。
- 表形式
1つの画面に、複数のレコード(データ)を一覧で表示、印刷することが出来ます。
- 帳票形式
単票形式ににていますが、1行に、複数のレコード(データ)が表示されます。
- はがきや宛名ラベル
専用のウィザードを使うことで、はがきや宛名ラベルに印刷することが出来ます。
などです。
この中で、よく使用するのは、「表形式」です。
「はがき」や「宛名ラベル」も使用する場合もあります。
レポートの画面構成
「Accessのレポート」の画面構成がどのようになっているのか説明します。
以下は、実際に作成した「レポート」(表形式)の「デザインビュー」を表示しています。
「デザインビュー」で画面を作成してゆきます。

以下が、「レポート」の表示(印刷プレビュー)です。
「印刷プレビュー」は、実際に印刷するイメージです。

- 「①」に作成した「レポート」の「オブジェクト」の一覧が表示されています。
- 上の画面の「②」が、「レポート」の「デザインビュー」を表示しています。
「デザインビュー」で、「レポート」を作成してゆきます。
「設計図」です。
- 下の画面の「②」が、「レポート」の「印刷プレビュー」を表示しています。
実際に印刷したときのイメージになります。
コントールとは
「コントール」について説明します。
「コントール」とは、「レポート」に配置する「オブジェク」(物)です。
レポートを作成するトいろいろな部品です。
「フォーム」にも、「コントール」がありました。
「レポート」で使用する「コントール」は、「フォーム」より少ないです。
以下のような「コントール」があります。
「①」が、「レポート」で使用される「コントール」(部品)です。
「フォーム」と同じものが表示されていますが、使用する「コントール」は少ないです。

主な、「レポート」の「コントール」について説明します。
- テキストボックス
「レポート」に「データ」を表示するのに使用します。
「テーブル」や「クエリ」の項目(フィールド)に連結します。
- ラベル
「レポート」の「タイトル」や項目(フィールド)の項目の名前(タイトル)に使用します
見出しや項目の名前など、文字の表示などです。
- 改ページ
「レポート」を改ページしたいときに使用します。
- 直線
項目名の下やグループが変わった時に直線を入れるときに使用します。
- 四角形
四角形を作成することが出来ます。
例えば
表示する項目名やデータに枠線を入れたい場合に使用します。
「Excel」の枠線ような感じに表示したりすることができます。
- グラフ
グラフを作成することが出来ます。
などです
プロパティシートとは
「プロパティシート」について説明します。
「プロパティシート」は、「コントール」の詳細を設定する事が出来ます。
「フォーム」の「コントール」に似ています。
「レポート」に「コントール」を配置します。
その「コントール」の詳細を「プロパティシート」で設定します。
「文字のサイズ」や「幅」「高さ」などの外観などです、
「プロパティ」とは「属性」という意味です。
「テキストボックス」の「プロパティシート」です。

「プロパティシート」の構成を説明します。
- ①:選択の種類
「コントール」の種類が表示されます。
上の例は「テキストボックス」(データの表示)です。
- ②:名前
「プロパティシート」で設定した名前です。
上の例は、「テキストボックス」につけた「名前」です。
- ③:プロパティシートのタブ
いろいろな設定が「タブ」分かれています。
- 書式
外観です。
- データ
連結するデータ(フィールド)です。
- イベント
動作を設定することが出来ます。
殆ど使ったことはありませんが。
- その他
名前などを設定します。
- すべて
すべての項目が表示されます。
- 書式
- ④:詳細設定
ここで個別の項目を設定します。
などです。
グループ化と並べ替え
「グループ化と並べ替え」について説明します。
関連するデータをまとめることが出来ます。
「グループ」別の表示や小計や並べ替えをおこなうことが出来ます。
以下に、「グループ化と並べ替え」を表示しています。

- ①:「グループ化と並べ替え」のボタン
「グループ化と並べ替え」をクリックすると「②」に「グループ化と並べ替え」が表示されます。
- ②:グループ化と並べ替え
「グループ化と並べ替え」の設定をおこないます。
- ③:実際に設定されています。
上の例では「顧客名」でグループ化され、「小計」(合計)が集計されています。
以下に、「レポート」の「印刷プレビュー」を表示します。
「顧客名」で「グループ化」されています。
また、「顧客名」で「合計」が表示されています。

レポートの作成、表示、保存
「レポート」の作成、表示、保存について説明します。
レポートの作成
「Accessのレポート」の作成方法について説明します。

「レポート」を作成するには、以下のような方法があります。
- レポート
「テーブル」や「クエリ」を選択して、ボタンをクリックすると、自動でレポートが表形式で作成されます。
「ナビゲーション ウィンドウ」で選択した「レコード ソース」内のすべての「フィールド」を含む、単純な表形式レポートが作成されます。
- レポート デザイン
「デザインビュー」で、最初から、「ラベル」や「テキストボックス」を配置してレポートを作成してゆきます。
必要なフィールドやコントロールを追加できる空白のレポートを「デザイン ビュー」で開きます。
- 空白のレポート
「レイアウト ビュー」で空白の「レポート」を開き、「レポート」に「フィールド」(項目)を追加できる [フィールド リスト] ウィンドウを表示します。
- レポート ウィザード
「フィールド」、「グループ化/や並べ替え」のレベル、および「レイアウト オプション」を指定できる複数ステップ ウィザードを表示します。
- 宛名ラベル
「ウィザード」を使って、宛名ラベルを作成してゆきます。
標準(市販のラベル)またはユーザー設定のラベル サイズ、表示するフィールド、およびフィールドの並べ替え方法を選択できるウィザードを表示します。
- 伝票ウィザード
「ウィザード」を使って、納品書や請求書から、宅急便の送り状まで作成することが出来ます。
- はがきウィザード
「ウィザード」を使って、「年賀状」や「はがき」などを作成することが出来ます。
などです。
レポートの表示
Accessのレポートの表示方法について説明します。

「レポート」を表示するには以下の方法があります。
- レポートビュー
「レポートビュー」は、レポートのデータの内容を表示する画面です。
データの入力や編集は出来ません。
検索やフィルター(絞り込み)は出来ます。
- レイアウトビュー
「レイアウトビュー」は、レイアウトを調整するための画面です。
「デザインビュー」のように詳細な項目は修正出来ません。
データを確認しながら位置などを調整します。
- デザインビュー
「レポート」の詳細を作成、修正する画面です。
- 印刷プレビュー
実際に印刷される画面です。
などです。
保存(エクスポート)
「レポート」の「データ」をいろいろな「ファイル形式」で保存することが出来ます。
また、「レポート」から直接、取り出す(エクスポート)ことも出来ます。

以下の「ファイル」形式で保存(取り出す)することが出来ます。
- Excelファイル
- テキストファイル
- PDFまたはXPSファイル
- 電子メール
- その他のファイル
- Word
- XMLファイル
- HTMLドキュメント
などです。
レポートで学習する内容
Accessのレポートで学習する内容について説明します。
「レポート」では、以下の内容を学習した方が良いと思います。
一応、順番にしています。
「レポート」は、「フォーム」の構成とよく似ています。
「レポート」は、データを印刷するだけですので「フォーム」より簡単に作成することができます。
- レポートウィードでレポートを作成
「レポートウィザード」を使って「レポート」に「テーブル」や「クエリ」のデータを表示するやり方です。
「デザインビュー」で、最初から作成しても良いのですが、時間がかかりますので、「レポートウィザード」を使って、ある程度、作成して、その後「デザインビュー」で修正などをおこなった方が、効率的です。
- レポートデザインでレポートを作成
「デザインビュー」で、「テーブル」や「クエリ」のデータを作成、表示します。
修正方法なども学習します。
- よく使用する「コントール」の使い方
「ラベル」「テキストボックス」などです。
- プロパティシートの設定方法
「レポート」の中に使用される、「コントール」などは、それぞれ、「プロパティ」(特性)を持っています。
また、「レポート」の「ヘッダー」「フッター」などの「コントール」もあります。
「プロパティシート」でどのようなことができるのか理解する必要があります。
- グループ化と並べ替え
「グループ化と並べ替え」の設定方法と、小計、合計の集計方法
- 宛名ラベルや伝票の作成
必要があれば、宛名ラベルや伝票の作成を学習します。
- マクロ、VBAの内容
いろいろな複雑な「レポート」を作成する場合は、マクロやVBAの作成方法を理解する必要があります。
「デザインビュー」の使い方は学習する必要があります。
でも、「レポート」を「デザインビュー」」で、何もない所から作成するのは、かなり時間がかかります。
最初は「ウィザード」を使用してある程度、「レポート」を自動的に作成し、その後、修正した方が良いと思います。
また、「レポート」には、たくさんの「テンプレート」(雛形)があります。
いろいろな種類の「はがき」、いろいろな市販のメーカーの「ラベル」、「佐川急便」、「ヤマト運輸」などの送り状、見積書、納品書などの「伝票」がたくさんあります。
有効に使用することにより業務の効率化ができると思います。
アクセスが多く使用されるのは、このレポート機能が優れていることです。
最近は、帳票の電子化が言われています。
「レポート」は、「pdf」ファイルにも保存出来ますので、活用すると良いと思います。
●「Access(アクセス)のレポートの使い方」の関連ページです。
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